Last Updated on 2022年9月7日 by 高橋 秀明
トラウマの記憶
トラウマの記憶は、恐怖体験を感じたとき、「恐怖の感情」と「対処できない出来事」の両方が記憶として残ります。
そして、本来、感情は消えていきます。
残っているということの可能性としては、消える前に繰り返し感じてしまう事も考えられますが、日頃消える前に感情を繰り返し思い出していたら、つらすぎて生きていけません。
もう一つ考えられるのは、対処できない体験を感じたとき、人は、「どうすれば対処できるだろうか?」と考えます。それは、瞬間的でかつ、繰り返し繰り返し考えてしまいます。
そして、その疑問を頭の中で繰り返してしまうのでトラウマは残ったままになってしまうと考えられます。
逆に、対処できれば恐怖はなくなるとも言えます。
プレゼンをする時、最初緊張していたが、慣れてくると緊張がなくなるのも同じ現象と考えられます。
トラウマの場合、思い出したくない出来事なので、トラウマの記憶は、無意識の領域に落とし込み、日常は問題なく振る舞うような機能が脳にあると思われます。
そして、トラウマと似た出来事があったとき、無意識から意識へ上がり、対応してしまうので、フラッシュバックという現象が起きてしまうのです。
フラッシュバック
トラウマとして体験した出来事(蹴られる、叩かれる、怒鳴られる等など)と似た体験(父親から受けたのであれば、上司や威圧的な人から怒られるなど)をした時、フラッシュバックという現象が起きます。
フラッシュバックとは、過去の記憶を思い出し再体験した現象のこと。
出来事に対処する(対処できている記憶)
普段、人は、何か物事に対処する場合、過去の記憶を参照して解決しようとします。そして、過去の記憶から物事の対処方法が分かるので、問題なく安心して対処することができるのです。
出来事に対処する
(未解決だが感情的に思い出しても問題のない記憶)
出来事に対処する
(トラウマの場合、未解決で感情的に思い出したくない記憶)
トラウマの場合、類似した出来事(上司から怒られるなど)が起きた場合も上記と同様に過去の記憶を思い出します。
しかし、その過去の記憶が「対処できなかった」と同時に「恐怖感」があるので、トラウマを受け取ったときに感じた感情を感じ、同じ行動(固まって動けなくなる、頭が真っ白になる、泣く等)をしてしまうのです。
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