Last Updated on 2022年9月8日 by 高橋 秀明
じゃあ、まず、トラウマの原因を考えてみよう。もし、そなたが、強烈な恐怖感を感じる出来事に出会ってしまったとしよう。すると、どうする?
例えば、強い地震にあったとします。すると、まず自分と子どもの身の安全を確保するでしょうか。そして、親や親せき友だち、知り合いや周りの人が大丈夫か心配になり、電話をしたりしますね。
そうじゃな。そのように、どのような対応をすればよいか考えることができる。もちろん、想定を超える出来事が起こることもあるので、思い通りにはいかないこともある。でも、思い通りにいかなかったとしても、じゃあ何に思いが至らなかったのかなど、考えることができる。
飛行機事故など九死に一生の体験の場合とかだと、トラウマになったりしませんか?
自分の力ではどうすることもできないことがあると、辛い体験になるだろう。「どうすることもできなかった」という思いもあると思うが、「それでも生かされている意味はなんだ?」を考えることができる。思いをどう変換するか? が学びとも言えるな。
死生観についての知識があると、違った見方ができるかもしれませんね。
そうじゃな。まず、ここで伝えたいことは、大人であれば、どう考えればよいのか、どうすれば良かったのか、何が必要なのか、など考えることができるということじゃ。
対処法が分かれば、トラウマにはならないということですね。
では、なぜトラウマを持ってしまったのかと言うと、そういう発想や、考えなどが及ばない年齢、幼少期のときに強烈な恐怖感を感じる出来事に遭遇したということじゃ。
対応方法が見つからなければ、どう対処すれば良いのか分からず、オロオロしちゃいますね。
つまり、子どもの頃、トラウマを持たせないような子育てが大切だということじゃな。
例えば、妹が子どもの頃、兄のいたずらで妹の服の中にカエルを入れられて、背中でカエルがピョンピョン跳ねている記憶が恐怖で、それ以来カエルを見るのも怖くなってしまった場合を考えてみよう。
その場合、親がカエルを見せる、服をたくし上げる動作を見せてカエルが逃げるイメージを見せる、逆に兄の服の中に入れる(仕返しではなく、共感を得るということじゃな)などいろんな対処方法を伝えることで、トラウマを解消することができる。
たぶん、「そのくらいで驚くな」とか「怖がり過ぎ」って言われたり、笑われたり、怖く感じたことを聞いてくれない疎外感などいろんな思いが、結果としてその子にトラウマを持たせてしまったのかもしれませんね。
そうじゃな。子どもにしてみれば、親にちゃんと向き合ってもらうことが一番の対処法であることを知っている。
例えば、小学生の頃だと友達からのいじめがトラウマになっているというのもあると思うのですが。
そうじゃな。この場合も、「友達からのいじめを、親に話すことができる関係を親子の間で出来ているか?」 が、まず1つ目に挙げられるな。
そして、次にしっかり話し合いができているのであれば、親は、適切な対処方法の話をする。
これで、基本的にはトラウマではなくなる。
もちろん、いじめがなくなったわけではないので、次は親が相手の親と話すか、学校に対処してもらうか教育委員会に打診するか、裁判に持ち込む手続きを進めるかなど、いろんな方法を進めていくことになるだろう。
そうやって、親が真剣にかかわってくれるのを見ている段階でトラウマにはならないですね。
そう言う事じゃ。
問題は、親が子どもと向き合っていないということじゃ。
親が自分の子どもが原因だと考えてしまったり、親が何も対処してくれないことを子どもが認識し、子どもも自分が問題だと思ってしまうため、トラウマを持ち続ける結果となってしまっているのじゃ。
子どもが被害者ですね。
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